はじめに
あけましておめでとうございます!
キャッシュレス化が加速化している現在、政府はキャッシュレス社会への取組を強化しています。2022年9月に経済産業省は日本のキャッシュレスの現状について、日本のキャッシュレス決済比率は約30%を超えており、その比率を2025年までに4割程度、将来的には世界最高水準の80%を目指していると発表しました。 そこで今日は、今年4月に解禁される「給与のデジタル払い」について解説していきたいと思います。
1、背景
従来の労働基準法で定めていた賃金の支給は、現金のみと規定されており、例外として銀行口座などの送金が可能でした。キャッシュレス決済の普及や送金サービスの多様化が進んでいる現在mこのような状況を総合的に踏まえながら対応するために、厚生労働省は2023年4月よりデジタル口座を通じた支給も認める方針を定めました。
2、概要
2023年4月から企業が賃金を「デジタルマネー」で支給することが可能になります。銀行以外、金融機関の預金または貯金の口座への振込み等を通じて支給することができます。ただし、一定の要件を満たし、資金移動業者の口座を用いた資金移動による賃金のデジタル払いを前提としています。
その条件として、事前に労働者の同意を得る必要があり、口座の残高上限が100万円に制限されることが挙げられます。また、企業が賃金をデジタルを通じて支給するために、企業は労働者・労組の意思に基づいて決済会社を定める必要があります。現在、資金移動業者は「ペイペイ」、「d支払い」、「楽天ペイ」、「auペイ」など85社が登録されています。
資金移動業者を通して給与を支給する場合、銀行に比べて安全性が欠けていることから、一口座あたりの残高上限は100万円に制限されるという条件があります。もし、デジタルマネー事業者が破産する場合、保証機関を通じて全額払い戻しを受けられる政策も構築しています。
3、メリット・デメリット
このような給与のデジタル払いは労働者が賃金を受け取る方法の選択幅が広がることです。また、決済アプリで残高をチャージする手間を減らすことができ、企業もこのような支払方法を求めている労働者を確保しやすい点などをメリットとして挙げられます。
一方、給与のデジタル払いに対するデメリットも指摘されています。労働者は資金移動業者が破産した場合、安全性担保や個人情報取り扱いを巡る懸念の声が高まっており、企業側も賃金を支給する際に多くの手続きが必要だという問題もあります。
おわりに
給与のデジタル払いを導入する際には、システム投資費用が大きくなるものと予想され、多くの企業が躊躇しているかもしれません。しかし、手数料削減と給与支給プロセスの利便性を期待している企業も多く、今後給与デジタル支払の利便性が証明された場合、給与のデジタル払いのさらなる普及が期待できるでしょう。
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