前回の社会保険手続きに続き、今回は雇用保険手続きについて解説させていただきます。
雇用保険番号が不明の場合
“雇用保険番号が不明の場合、雇用保険番号を新規で取得して手続きしている。”というケースが見受けられます。雇用保険番号は原則1人1番号で管理されるべきものになります。
しかし、実際には複数の番号が登録されている方が数多くおり、その理由としては新しい会社に入社するたびに新規で取得手続きをしてしまっていることです。
複数の番号がある場合にはこれを統一させる手続きをとる必要があり、本人の手続きの手間が増えてしまいます。それを防ぐためにも、雇用保険番号が不明な従業員については、以前に務めていた企業名をヒアリングしてください。
前職名がわかればその会社名でハローワークにて検索を行い、同じ雇用保険番号で取得手続きが進められます。雇用保険番号はあくまで1人1番号という認識を持っていただければと思います。
外国籍の方について
外国籍の方の場合、雇用保険取得届に在留資格の記載が必要になります。そのため、在留カードを提出してもらい情報を確認する必要があります。雇用保険に加入する外国籍の方については、問題は無いと思います。
ここでお話するのは、週20時間未満で働く雇用保険加入要件を満たさない、外国籍の従業員のケースです。
結論からいうと、雇用保険加入要件を満たさない場合でも外国籍の方の場合には、外国人雇用状況届をハローワークに提出することが必要です。
届出の内容としては、氏名、在留資格、在留期間、生年月日、性別、国籍・地域、資格外活動許可の有無、雇入れ日、雇入れに係る事業所の名称、所在地などです。
この外国人雇用状況届を出していない or 存在をしらないという会社が散見されますので要注意です。
なお、この外国人雇用状況届は離職時にも提出が必要ですので留意してください。
いかがでしょうか。人事担当者であれば、一度は今回ご紹介したミスを経験もしくは、疑問に思ったことがあるのではないでしょうか。入社の手続きは、従業員の人生に大きく関わるとても大切なものです。
数多くの手続きを処理していると手慣れてくることから、各手続きの重要性を軽視してしまうような感覚に陥ることもあるかもしれません。
もう一度各種制度の主旨を考え、従業員に安心して業務に従事して貰えるよう、ミスなく手続きを行えるようにしたいですね。
執筆:安達伸伍 労務・年金相談安達事務
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