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執筆者の写真Gustavo Dore

バックオフィス担当者が素敵な会社のサービスを選んでみたくなる

先日のSOU-MU NIGHTではオンラインで総務・バックオフィスで働く3人の方にライトニングトーク形式で好きなテーマでお話していただきました。

バックオフィスで働くといっても、それぞれ全く違うキャリアを歩んできたり、得意とする分野も違ったり。でも共通する部分は、この仕事にやりがいを持って、大変ながらも楽しそうに働いている点かなと思います。

私がSOU-MU NIGHTをはじめたのは、もっと総務やバックオフィスで働く人の価値が認められてほしい、という想いからでしたが、その3年前から比べると遥かにバックオフィス業務の重要性が認識されるようになってきたと思います。

それでもまだまだ地方では「事務なんて売上につながらないでしょ」という認識の方々はたくさん。

先日、経理スタッフの採用について相談を受けた際、「簿記2級程度の知識があって、クラウド会計freeeが使えて、実務経験がある即戦力を、出社前提で、パートで採用したい」というのに、時給は最低賃金に近い金額しか考えていない企業がありました。

「絶対にそれでいい人なんて採れないですよ」とアドバイスしたのですが、決して悪気はなく、経理に対するイメージが昭和のままなのです。今の時代、経理とITのスキルがあれば地方に住んでいてもリモートでもっといい条件が提示されます。パート採用であっても、競合は地域の中小企業ではなく、全国の企業が競合になっているのが現状です。

そうした現実にも目を向けることなく、会社がイノベーションやDXなど実現できるわけがありません。

バックオフィス部門に光が当たらない理由は何か

バックオフィスに価値を見出せない人は、①単純に現在のバックオフィス部門のビジネス環境の状況を「知らない」②その物や役割の本質を見ず「変わろうとしない」の大きく2つだと感じています。

たとえば経営者にはこの令和の時代であっても「売上至上主義」があまりにも多い。売上が上がり続ければ会社の問題が解決するという側面は確かにあります。しかしながら、今の社会を見れば分かる通りどんな社会環境の変化があるかは分からない。その中で売上至上主義だけでは立ちいかなくなるというのは周知の事実です。

そのような状況の中で、バックオフィス部門に投資せず「とりあえず雑務をこなしてくれればいい」という会社は、今先進的なバックオフィス部門を構築している企業と大きく引き離されている状況です。

そうすると、同じ売上規模、ビジネスモデルであっても、固定費部分で大きな差が生まれているのが現状。いまやそれが会社の成長を左右する時代となっているのですが、そんなことなど「知らない」地方の中小企業の経営者はあまりにも多い。

知識として知っていたとしても、その経営者自身の物事の見方によって「変わらない」という企業にもたくさん出会います。特に営業や新規事業を創出を得意とする経営者は、ビジネスをバックオフィス部門から眺めたことがないこともありますし、ITに関して本心では関心がない方もいまだに多い。そうした方に現状のバックオフィス部門の環境変化についてお話をしても、変わる必要性を感じないし、変わった先のイメージもつかないということも多いのではないでしょうか。

既に優秀なバックオフィス担当者はなかなか採用できない状況になっています。また、これからバックオフィス担当者としての専門性を磨こうと思っている方は、その価値を理解する会社に出会い、成長していけることを願っています。

バックオフィス担当者が素敵な会社のサービスを選んでみたくなる

SOU-MU NIGHTは会社のバックオフィス担当者同士が直接繋がれる場。いろんな会社のバックオフィス担当者と話していると、やりがいを持って会社の仕組みを主体的に整えている方々に出会います。

私は、そんなバックオフィス担当者がいる会社が提供しているサービスってどんなサービスなんだろう、という関心からサービスを利用することが多くなりました。

もちろんスタートアップだとまだ満足いく機能ではないこともありますが、間違いなくその機能改善に積極的に取り組んでいくだろうということは、会社の成長を中から担うバックオフィス担当者を見ていればイメージがつくのではないでしょうか。

表向きの広告を整えることも大事ですが、今後は「嘘のない会社」が選ばれるようになっていきます。社内で働く人たち、しかもバックオフィス部門で働く人たちがやりがいを持って働いているかどうかも、サービス利用に影響を与える時代がやってくるでしょう。

会社の愚痴ばかり話すバックオフィス担当者がいる会社のサービスを利用したいか?横のつながりが増えたり、SNSを通じた個人の発信が増えることで、そうした声は社会に届きやすくなっています。

それは間接部門が遠からず売上にすら影響してくるということ。今後今まで以上にバックオフィス部門の果たす役割は重要になるのではないでしょうか。

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税理士・中小企業診断士 S0U-MU PROJECT代表  田中 慎

経営者の良きパートナーになりたいと、税理士資格、 中小企業診断士資格を取得。2019年より 総務やバックオフィスで働 く人達のためのSOU-MUプロジェクトを開始。 「SOU-MU NIGHT」など、 起業家とバックオフィスで働く人達が地域で繋がり、支え合う環境づくりを目指している。

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